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Google Analytics 4 イベント入門

こんにちは、システム開発課の今門です。

ご存知の方も多いかと思いますが、1年ほど前に、Google Analyticsの新しいバージョンがリリースされました。
より今の時代に則したツールになっていますので、シナプスでも導入し、これまで利用してきたバージョンのものから徐々に移行を進めているところです。

今回は、新しいバージョンの大きな特徴である「イベント」計測の基本事項を中心に紹介したいと思います。

新しいバージョン Google Analytics 4 について

2020年10月、Google Analytics 4(以下 GA4)がリリースされました。
数字の4は第4世代、という意味があるようです。
これまでの第3世代のバージョン Universal Analytics(以下 UA)から約6年ぶりのアップデートになります。

基本的に、UAとGA4は別のツールと考えておいたほうがいいかと思います。
後述しますが、計測についての考え方や方式が大きく変わっているからです。

また、Googleからの正式なアナウンスがないのですが、ここ数年の間にUAは廃止されるのでは、とも言われています。
しかし、移行しようにも、UAからGA4にこれまでのデータを引き継ぐような機能は用意されていません。
UAとGA4は並行して運用できるようになっています。当面はUAで運用しながらGA4を学習し、徐々にシフトしながらUAの廃止に備えるというのが現実的かと思います。

前述したとおり、計測についての考え方や方式が異なることから、画面のUIや操作手順もかなり変更されており、GA4を習得するための学習コストは高めだと考えておいたほうがいいかもしれません・・

バージョンアップの背景

このような大規模なバージョンアップがされたのには、大きな理由があります。
もちろん、機能強化という側面もあるのですが、現在のユーザの利用状況に合わせる、というところが大きいのだと思います。

みなさんもご存知のとおり、UAがリリースされた6年前とは、Webの利用方法も大きく変わってきています。
例えば、次のような点が変更点としてあげられると思います。

  • スマートフォン利用のさらなる広がり
  • Webサイト以上に、スマートフォンアプリの利用者が急増
  • Webサイトにおいても、静的ページよりもWebアプリケーションとしての需要増

GA4は、これらの状況を踏まえた上で、Webサイトとスマートフォンアプリの利用状況を横断的に計測することが可能になっています。
このような計測が可能になると、UAのように「ページの表示」単位でのデータ取得はそれほど意味をなさなくなってきます。
よってGA4では、「イベント」単位でデータを取得し、計測するようになっています。

GA4のイベントについて

GA4では、ほぼすべての指標が「イベント」で計測されるようになりました。UAでの主な指標であった「ページビュー」「セッション」などもイベントとして計測します。

ご存知のとおり、UAでもイベントを計測できました。
ただし、そのイベントは、「カテゴリ」「アクション」「ラベル」「値」を利用者自ら設定してデータを取得するものでした。
GA4にはこれらの概念がありません。UAとGA4のイベントは全く別の機能になります。そういったところからも、UAとGA4は別のツールと考えるべき、ということになるわけです。

GA4のイベントは、大きく3つに分類されます。

  1. 自動収集イベント
    データ収集を設定すると自動的に収集されるイベントです。
    ただし、一部のイベント、特にインタラクションに関するイベントについては、有効・無効を管理画面で行う必要があります。該当するイベントを測定機能強化イベントといいます。

  2. 推奨イベント
    GA4で定義された名前とパラメータを使って、利用者自身で実装します。

  3. カスタムイベント
    利用者自身で名前を指定して実装するイベントです。GA4に用意されたイベントが、ユースケースに当てはまらない場合に作成します。より詳細な分析を行う必要があるような場合には、このイベントを利用します。

今回は、自動収集イベントのうち、特に利用頻度が高いと考えられる測定機能強化イベントについて説明します。

測定機能強化イベントについて

注意点としてひとつ、測定機能の強化イベントは、Webサイト/Webアプリケーションのみに有効であり、スマートフォンアプリには適用されません。

以下、該当するイベントと、そのトリガーされるタイミングを記します。

※引用元
[GA4] 測定機能の強化イベント

測定オプション /
イベント
トリガーされるタイミング
ページビュー
page_view
ページが読み込まれるたび、またはアクティブなサイトによって閲覧履歴のステータスが変更されるたびに記録されます。

このイベントは自動的に収集されます。収集をオフにすることはできません。

このオプションの詳細設定で、閲覧履歴のイベントに基づいてイベントを送信するかどうかを指定できます。この測定オプションでは、pushState、popState、replaceState を検知(イベントリスナー)します。
スクロール数
scroll
ユーザーが各ページの最下部まで初めてスクロールしたとき(垂直方向に 90% の深さまで表示されたときなど)に記録されます。
離脱クリック
click
ユーザーが現在のドメインから移動するリンクをクリックするたびに記録されます。

デフォルトでは、現在のドメインから移動するすべてのリンクに対して離脱クリック イベントが発生します。クロスドメイン測定が設定されたドメインへのリンクで、離脱クリック イベントがトリガーされることはありません。
サイト内検索
view_search_results
ユーザーがサイト内検索を行うたびに記録され、URL クエリ パラメータが含まれているかどうかで示されます。
デフォルトでは、URL に次の 5 つのパラメータのいずれかが含まれているかどうかに基づいてイベントが記録されます。

・q
・s
・search
・query
・keyword

このオプションは、必要に応じて他のパラメータに含まれる検索語句を探すように設定することもできます。
動画エンゲージメント
video_start
video_progress
video_complete
JavaScript API サポートが有効になっている埋め込み YouTube 動画では、次のイベントが記録されます。

・video_start: 動画の再生が開始されたとき
・video_progress: 動画が再生時間の 10%、25%、50%、75% 以降まで進んだとき
・video_complete: 動画が終了したとき
ファイルのダウンロード
file_download
ユーザーが次のタイプの(一般的なファイル拡張子の)ファイルに移動するリンクをクリックすると記録されます。

・ドキュメント
・テキスト
・実行可能
・プレゼンテーション
・圧縮ファイル
・動画
・音声

測定機能強化イベントを有効にする

前述したとおり、測定機能強化イベントを有効にするには管理画面からの設定が必要になります。 以下、その手順を記します。

※引用元
[GA4] 測定機能の強化イベント

  1. Google Analytics 4にログインします。
  2. [管理] をクリックして、「編集するプロパティ」に移動します。
  3. [プロパティ] 列で [データ ストリーム] > [ウェブ] をクリックします。
  4. [測定機能の強化] でスイッチをオンにして、すべてのオプションを有効にします。
    必要に応じて 歯車アイコン をクリックして個々のオプションを編集します。

測定機能強化、機能ON

測定機能強化イベントを確認する

以下のとおりの手順で確認できます。

  1. Google Analytics 4にログインします。
  2. [レポート] をクリックして、その中のメニュー[エンゲージメント] > [イベント]をクリックします。

取得しているイベントデータそれぞれの「イベント数」「ユーザの合計数」などが確認できます。

イベント一覧画面

イベントごとの詳細データを取得するには、該当イベント名をクリックします。
ここでは、上記の画像の赤枠のとおり、file_downloadをクリックしてみます。

イベント詳細画面

まとめ

今回は、イベント入門編ということで、測定機能強化イベントについて説明しました。

このブログを書くため、あらためてGA4のイベントやその他の機能について掘り下げて調べてみましたが、これまでのUA以上に詳細な計測・分析ができることを実感できました。
これまで使ってこなかった指標の理解、GA4の操作や設定の習得など、なかなか学習コストも高いのですが、少しずつ様々な手法を試し、あらためてこの場で紹介したいと思います。