シナプス技術部の芝村です。
シナプス技術部では長らく技術者ブログを書いてきていますが、今回はいつものテイストとは大きく異なるものを出してみました。技術解説やデモではなく、技術者に向けたキャリア形成論を語っています。動画はおよそ15分弱なので是非ご覧ください。以下の文章は発表原稿をAIに要約させブログ記事風に書いてもらったものがベースになっています。
スキルとキャリア、両輪で進むために
エンジニアとして働く皆さん、「スキルアップ」には熱心に取り組んでいる方が多いのではないでしょうか。しかし、「スキル」と同じくらい大切なのが「キャリア」の視点です。スキルが個々の能力や技能である一方、キャリアは職歴や経歴そのもの。この二つは、いわば車の両輪です。
私自身、大学留年を繰り返し、社会人になったのは27歳。同期より5年遅れのスタートでした。この遅れを取り戻すため、新卒時代から「人と同じ成長曲線ではダメだ」と強く意識していました。多くのエンジニアがスキル向上に偏りがちですが、戦略的な目標なしに頑張っても、望む未来には近づきにくいと感じます。
そこで私が取った戦略は、あえて当時花形だった技術分野を避け、ニッチな分野で専門性を磨くこと。いわゆる「ブルーオーシャン戦略」です。競争の激しい分野(レッドオーシャン)で戦うのではなく、自分のポジションを確立しやすい場所を選びました。才能や若さに自信があれば王道も良いですが、競争環境を見極め、自分に合った戦略を選ぶ視点も重要です。
技術だけじゃない?価値を生み出す「改善力」
新卒で入社した会社では、フィールドエンジニアから品質管理部門へ異動するという経験もしました。当初は技術から離れることに戸惑いもありましたが、この部署での経験が、私のキャリアにとって大きな転機となります。
当時の品質管理部門は、課題が山積みでした。新品の受け入れ検査は非効率で、故障品の修理依頼はメーカーに突き返されることもしばしば。そこで私は、まず検査業務に統計的な手法を導入し、全数検査から抜き取り検査へ移行。非効率な作業を大幅に削減しました。
さらに、故障再現性の低い修理依頼に対しては、メーカーの診断方法を社内に導入し、不要な修理依頼を減らす仕組み(ストックローテーション)を構築しました。
ここで磨かれたのは、技術力というより「業務全体の流れを読み、ボトルネックを解消する力」でした。今でいうサプライチェーンマネジメントに近い視点かもしれませんが、社内にこの分野に関心を持つエンジニアがいなかったため、私の強みとなりました。約1年で部署の立て直しに貢献でき、結果的にキャリアアップにも繋がりました。技術以外の分野にも、スキルやキャリアを高めるチャンスは眠っているのです。
環境変化をチャンスに!地方で見つけた新たな戦略
その後、結婚を機に地元宮崎へUターンし、友人が設立した会社へ転職。エンジニア職ではなく「経営企画室」という立場で、会社の組織強化や技術力向上に携わることになりました。
当時の会社は、ネットワーク関連の技術力はありましたが、それが売上に繋がっていませんでした。原因は、低価格帯の商品が中心で、十分な利益を得られていなかったこと。そこで「アップセル戦略」を推進しました。高付加価値な商品(シスコの中小企業向け製品など)を扱える体制を整え、技術者の資格取得も支援。
すると、徐々に高単価な案件も受注できるようになり、ある大きな取引をきっかけに、ネットワーク・サーバー関連が主要ビジネスへと成長しました。地方では特に、技術力だけでなく「顧客に採用される価格と価値をパッケージングする提案力」が不可欠だと痛感しました。環境の変化は、新たなスキルや視点を獲得する絶好の機会となり得ます。
自分だけのキャリアを築くための4つのヒント
これまでの経験を踏まえ、エンジニアがキャリアを築く上で大切だと思うことを4点にまとめます。
- 視点を高く、広く持つ: 技術的な深掘りも大切ですが、それだけに囚われず、市場トレンドや社内での立ち位置など、多角的な視点で自分の進むべき方向性を考えましょう。
- スキル・キャリアのフィールドは技術だけではない: どんな仕事にも価値があり、学べるスキルがあります。変化を恐れず、新しいチャレンジを成長の糧と捉えましょう。
- 自分の現在価値を相対的に評価する: 転職市場などを参考に、客観的に自分の市場価値を知ることで、伸ばすべき点や補うべき点が見えてきます。
- 万人に当てはまる正解はない、行動あるのみ: 私の経験が全ての人に当てはまるわけではありません。大切なのは、自分の「こうありたい」という想いに向き合い、それを実現するための道を選び、行動し続けることです。
この記事が、皆さんのエンジニアとしての未来を考える一助となれば幸いです。