こんにちは。ネットワーク課の若松です。 シナプスは今年の11月で創業から30周年を迎えます。これも一重にお客様とお取引先様のご支援、ご愛顧の賜物と心から感謝いたしております。
私自身は(もう正確なところは忘却の彼方なのですが)シナプスの創業の(たぶん)2~3年目から在席しておりまして、昔のシナプスと昔のインターネットはどんな感じだったか、記憶が薄れる前に備忘録も兼ねてここに記したいと思います。
技術者ブログと銘打ちながら、技術的要素は控えめな記事ですが、インターネット歴が長い方、是非ノスタルジックな思いに浸っていただければと思います。

1995年~1999年頃
最初のインターネット接続はダイアルアップ接続が普通でした。 インターネットを利用するときに、電話回線を使ってシナプスのようなインターネットサービスプロバイダ(ISP)につなぐ形です。 アナログ回線にはモデムを、ISDN回線にはターミナルアダプタという機械を接続していました。
もちろん、つないだ時間や距離に応じて通話料もかかるため、お客様のご負担を軽減すべく県内に多くのアクセスポイントを設置しました。
ダイアルアップ接続
1995年11月 サービス開始!
シナプスは1995年11月、アナログモデム8台と上位回線128kbpsで始まりました。 128kbpsというのは間違いではありません。M(メガ)でも、G(ギガ)でもなくて、k(キロ)です。 今は固定回線でも数百Mbps~数Gbps出るのは当たり前で、スマートフォンでも数十Mbps出ますよね。 でも、30年前のシナプスは最大8人と合計128kbpsだったのです。

当時の機器はアクセスサーバがPortMaster2e、バックボーンルータは Pipeline という製品だったと聞いておりますが、後者の稼働する実物は見たことがありません。
1998年~1999年 アクセスポイント増設、バックボーン増強
私が入社した(たぶん)1998年前後のバックボーンネットワーク図を以下に示します。

またつないだ時間に応じて通話料がかかるのは変わらずでしたが、「テレホーダイ」などのサービスも登場しました。 「テレホーダイ」は指定した電話番号への通話料が23:00~翌08:00まで定額になるサービスで、インターネット利用のため夜更かしをして睡眠不足の人が増えたと記憶しております。
このころは上位接続用ルータがCisco7206とCisco3640で、各アクセスポイント向けの専用線ルータがRT100iやRT102i、Cisco2524、アクセスサーバはPortMaster3やMAX6000 だったと記憶しております。

2000年常時接続の登場
フレッツシリーズ登場
2000年7月フレッツ・ISDN登場!
2000年7月についに鹿児島でも「フレッツ・ISDN」がサービス開始されました。 このサービスはフレッツ・ISDNに対応したISPと契約すれば、インターネットに64kbpsで常時接続可能というサービスで、当初月額4,500円と比較的高額でした(後に段階的に値下げ)。
当然シナプスも鹿児島でのサービス開始にあわせてご提供するべく取り組んだのですが、NTT西日本さんとの相互接続手続や専用回線(デジタルアクセス1500)の手配などかなりバタバタしたのを覚えております。 フレッツ・ISDNはNTT東西へ支払う料金が定額になるというだけで、ダイアルアップ接続という面では既存のISP接続と同じようなものでした。、 フレッツ・ISDNのダイアルアップ先の電話番号は「1492」ですが、サービス開始当初はNTT西日本さんから簡易書留でお客様毎に別々のダイアルアップ接続先の電話番号が通知されるという仕組みでした。 それと、フレッツ・ISDNにはタイプ1とタイプ2がありましたが、結果的にシナプスも含めて多くのISPはタイプ1を提供しました。
思えば、それまで「常時接続」という言葉はありませんでした。今は「常時接続」が当たり前すぎて使われなくなっていますが。
この後後述するブロードバンド回線の登場でフレッツ・ISDNのお客様数が激減していくのですが、現在でも鹿児島県内のブロードバンドエリア率は100%ではありません。そういったどうしてもブロードバンドサービスが来ていないエリアの方のために、個人的にはフレッツ・ISDNのMP化(128kbps化)も提供して欲しかったなぁと思います。この辺実現するための技術的課題は何だったのか今でも気になります。
そしてごくわずかなのですが、今でもシナプスでフレッツ・ISDNのご利用者様がいらっしゃいます。残念ながら「フレッツ・ISDN」は2026年1月末にサービスを終了しますが、最後までシナプスはご提供させていただく予定です。
2001年3月 フレッツ・ADSL登場
2001年4月 鹿児島に「フレッツ・ADSL」がサービス開始されました。 ADSLサービスは他社が先行しておりましたが、ついにNTT東西も対応していただいた、という形になります。 フレッツ・ADSLは当初1.5Mbpsのサービスでしたが、このあと段階的に8M/12M/24M/40M/47Mと最高速度も上がりインターネットユーザの多くがいかに自宅/会社の回線を速くするか、MTUを調整したり、電話線を短くしたり、フェライトコアを入れたりして、しのぎを削った(笑)ものです。
実際ADSLサービスの速度は各NTT局舎からお客様宅までの距離や、同一の電話線の束に収容されているISDN回線等の干渉などお客様固有の環境によりかなり差が出るものでした。それでもフレッツ・ISDNとは違い数百kbps~数Mbps程度の速度は出ますので、ご契約者様が増えるにつれ、シナプス鹿児島APとNTT西日本間の専用線が帯域不足になり、デジタルアクセス1500からATM専用サービスに切り替えました。 これでしばらくはサービスを維持していたのですが、ATM専用サービスの契約帯域を上げるには日中数十分のサービス停止が発生することと、維持費用が高額となりましたので、ダークファイバの導入に舵を切りました。 このダークファイバの手配/開通も我々の知識/経験不足によりかなり時間を要しましたが、帯域に対して費用もかなり下げることが出来ました。 またこの頃「固定IP」という用語も生まれました。
フレッツ・ADSLは今でもシナプスで3桁を超えるご利用者様がいらっしゃいます。こちらもフレッツ・ISDNと同様2026年1月末にサービスを終了しますが、最後まで提供させていただく予定です。
光インターネットの登場
2002年6月 Bフレッツ登場 夢の超高速ブロードバンドへ
2002年6月 鹿児島で光回線を利用した「Bフレッツ」がサービス開始されました。と同時に「そんな帯域があっても使い道がないのではないか?」というような批判めいたものもあったのを記憶しております。 Bフレッツには「ビジネスタイプ」、「ベーシックタイプ」 、「ファミリータイプ」、「マンションタイプ」の4種類がありシナプスは全て対応しました。 お蔭様でお客様のご加入も順調で、途中お客様の割り当てるIPアドレスが足りなくなる事態が発生し、NTT西日本さんに相談し特急レベルでアドレス追加の工事を実施して頂いたこともありました(あの時の御恩は今でも忘れておりません)。 常日頃からのリソース管理の大切さを改めて痛感した次第でした。 この後Bフレッツには「ファミリー100タイプ」や「ワイヤレスタイプ」などが登場しましたが、最終的に2017年11月末にサービスが終了しました。
2005年8月 フレッツ・光プレミアム登場
2005年8月 鹿児島で「フレッツ・光プレミアム」がサービス開始されました。 フレッツ・光プレミアムには「ファミリータイプ」、「マンションタイプ」、「エンタープライズタイプ」の3種類がありシナプスは全て対応しました。 フレッツ・光プレミアムはお客様側に、ONU、CTU、VoIPアダプタの3種類の機器を設置する必要があり、コンセント周りがゴチャゴチャしていた記憶があります(NTT西日本さん、ごめんなさい)。 加入者光ファイバ区間が1Gbpsとなっており、Bフレッツより高速(ただしベストエフォート)なインターネットネット利用が可能でしたが、最終的に2019年1月にサービスが終了しました。
2009年6月 フレッツ・光ネクスト登場
2009年6月 鹿児島で「フレッツ・光ネクスト」がサービス開始されました。 鹿児島では珍しく離島(和泊町)からのサービス開始だったのを覚えています。 フレッツ・光ネクストは、NTT東西が構築するNGN(Next Generation Network)上で提供される光回線サービスで、当初100Mbpsのサービスでしたが、その後200Mbpsのサービス(ハイスピードタイプ)が始まり、さらに1Gbpsのサービス(スーパーハイスピードタイプ・隼)も提供開始され、今では1Gbpsのサービス(スーパーハイスピードタイプ・隼)が標準的なサービスとなっています。 なお、1Gbpsのサービスには「スーパーハイスピードタイプ・隼」とは別に「ビジネスタイプ」もありますが、シナプスでは(鹿児島県内に限りますが)、すべてのサービスに対応しております。
2024年10月 フレッツ・光クロス登場 ついに10Gbpsへ
2024年10月 鹿児島で「フレッツ・光クロス」が提供開始されました。ついに10Gbpsの光回線サービスです。まだまだ鹿児島県内での提供エリアは限定的ですが、ますますご利用者が増えていくことを期待しております。
これまでを振り返って
前述しました通り、およそ30年前にシナプスはモデム8台と、上位回線128kbpsでサービスを開始しました。当時は(もはや死語ですが)「ネットサーフィンをしてみたくてサービスを契約する」という方が大半でしたが、今ではニュースなどの情報収集や、ショッピング、動画視聴、情報発信、職場や取引先とのコミュニケーションをとるための当たり前のツールになっています。 思えばスマートフォンとブロードバンドの普及は30年前には全く予想できなかったことです。30年前には「SNS」、「インフルエンサー」なんて言葉はなかったですしね。
これまでの30年間
思えば入社以来ずーーーーっと、ネットワーク増強と新サービス対応の繰り返しでした。技術的好奇心から新規に購入したルータやスイッチなどワクワクしながら起動/設定したのを思い出します(今でもそうですが)。 他方回線開通工事の遅れや機器入荷の遅延どの外的要因なども重なり、タイトなスケジュールの中増強作業を進めざるを得ないことも多く、胃が痛くなることや「作業失敗に終わる夢を見る」ことも一度や二度ではありませんでした。 しかし、お客様へ快適なネットワーク環境をご提供することを信念とし、これまで触れたことのない新技術を導入することで、「課題/問題をテクニックやアイディアで解決する」ことが実現出来たことはエンジニア冥利に尽き、大変幸せだったと思います。
シナプスで使うルータやスイッチも10MbpsのIFが普通だったのが、今や10GbpsのIFを標準的に使うようになっていますし、ネットワークの心臓部は数年前に100Gbps化されました。 2016年6月頃から2017年2月頃までの間は、お取引先様のご協力や、社内スタッフの献身的な協力にも恵まれ、「お客様へのインターネット接続サービスを止めずにデータセンタを移転する」というアクロバティックなこともやってのけました(自画自賛)。
30年後はどうなっているか?
これらを踏まえて30年後をどうなっているのかを考えてみましたが、答えは出ませんでした。 想像すら出来ないことが実現されているのだろうと考えますが、詳しくは今から30年後のシナプスのエンジニアのみなさんが記事にしてくれることを期待しています。 シナプスはこれからもお客様に寄り添い、よりよいサービスのご提供を目指してまいります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。