サービスシステム運用課の福山と申します。
業務を通じて、初めて Arista Networks製ネットワーク機器(EOS)を操作する機会がありました。
AristaのCLIは、Cisco機器(IOS XE)と操作感が近く、直感的に扱える印象を受けました。
今回は実際の運用で特に有用だと感じたCLIの利点・特徴を、4つのポイントに絞って紹介します。
- 今回、確認で使用した機器のバージョン
- 1. コンフィグレーションモードにおける showコマンドの柔軟性
- 2. インタフェース複数指定時の簡潔な指定方法とプロンプト表示
- 3. 運用監視における showコマンドの利便性
- 4. 安全性と柔軟性を両立する「commitベース」のオペレーション
- まとめ
今回、確認で使用した機器のバージョン
| ホスト名 | OSバージョン |
|---|---|
| ARISTA | Arista EOS 4.34系 |
| CISCO | Cisco IOS XE 17.09系 |
1. コンフィグレーションモードにおける showコマンドの柔軟性
- 設定作業中は、現在の設定内容を随時確認したい場面が多くあります。
- Cisco機器では「do show」のように do を付与する必要がありますが、Aristaではコンフィグレーションモードでも、そのままshowコマンドを実行可能です。
- さらに、特定の階層(例:インタフェース設定)に入った状態で「show active」を実行すると、その階層に関係する設定のみを抽出表示できます。
コマンド例
# インタフェースコンフィグレーションモードに移行 ARISTA(config)#interface Ethernet2 # モード移行後、「show active」で該当階層のコンフィグのみを確認できる ARISTA(config-if-Et2)#show active interface Ethernet2 switchport access vlan 10 spanning-tree cost 2 # do なしで通常の showコマンドも実行可能 ARISTA(config-if-Et2)#show interfaces e2 status Port Name Status Vlan Duplex Speed Type Flags Encapsulation Et2 connected 10 full 10G 10GBASE-SR
2. インタフェース複数指定時の簡潔な指定方法とプロンプト表示
- 複数のインタフェースに対して同一設定を投入するケースは、運用上よく発生します。
- Cisco機器の「interface range」では、不連続ポート指定時にインタフェースタイプの再入力が必要で、プロンプトから対象インタフェースが分かりにくいといった課題がありました。
Ciscoの場合
- rangeコマンドが必要
- 不連続ポート指定時はインタフェースタイプの再入力が必要
- プロンプトから対象インタフェースを判別できない
# インタフェース Te1/0/1 から Te1/0/3 の範囲と Te1/0/6 を指定したい
CISCO(config)#interface range te1/0/1-3,6
^
% Invalid input detected at ‘^’ marker.
※インタフェース番号だけだとエラーになる
# 不連続ポート指定時は再度「te」から入力が必要となる
CISCO(config)#interface range te1/0/1-3, te1/0/6
CISCO(config-if-range)#
※ プロンプトからは対象インタフェースが判別できない
Aristaの場合
- rangeコマンドが不要
- 不連続ポート指定時にインタフェース番号のみで指定(同時に カンマ「,」 やハイフン「-」の組み合わせ)が可能
- 指定中のインタフェースがプロンプトに明示的に表示される
# インタフェース Et1 から Et3 の範囲と Et6 を指定したい ARISTA(config)#interface e1-3,6 ARISTA(config-if-Et1-3,6)# ※ プロンプトから対象インタフェースが判別できる
3. 運用監視における showコマンドの利便性
インタフェース状態の確認
- 設定時と同様に、ステータス確認時もインタフェースを複数指定可能です。
- 必要なポートのみを抽出して表示でき、出力結果の視認性が向上します。
ARISTA#show interfaces e1-3,6 status Port Name Status Vlan Duplex Speed Type Flags Encapsulation Et1 connected 10 full 10G 10GBASE-SR Et2 connected 10 full 10G 10GBASE-SR Et3 connected 20 full 10G 10GBASE-SR Et6 notconnect 1 full 25G Not Present
BGPネイバーテーブルの確認
- BGPのネイバー確認では、IPアドレスのみの表示では対向機器の特定に時間がかかる場合があります。
- Aristaの「show bgp ipv4 unicast summary」では、Description(説明)や送受信経路数(PfxRcd / PfxAcc / PfxAdv)が標準で一覧表示されます。
ARISTA#show bgp ipv4 unicast summary BGP summary information for VRF default Router identifier 172.16.0.1, local AS number 65000 Neighbor Status Codes: m - Under maintenance Description Neighbor V AS MsgRcvd MsgSent InQ OutQ Up/Down State PfxRcd PfxAcc PfxAdv IBGP 172.16.0.2 4 65000 4388 4622 0 0 00:00:48 Estab 1 1 2 IX-B 192.168.0.1 4 65100 3911 4614 0 0 00:00:27 Estab 2 2 1
4. 安全性と柔軟性を両立する「commitベース」のオペレーション
- 本番環境でのコンフィグ変更には、高い安全性と正確性が求められます。
- Aristaでは、従来の「即時反映型」と差分確認後に明示的に反映できる「commitベース」の2つの方式を選択可能です。
commitベースの例(ホスト名変更)
# コンフィグレーションセッションモードへ移行 ARISTA#configure session # 設定変更(この時点では稼働中のコンフィグに影響しない) ARISTA(config-s-sd)#hostname TEST # 変更前との差分確認(-が削除、+が追加) ARISTA(config-s-sd)#show session-config diffs --- system:/running-config +++ session:/sd-session-config -hostname ARISTA +hostname TEST # 差分に問題がなければ「commit」で設定を反映 ARISTA(config-s-sd)#commit TEST#
即時反映との使い分け
- 検証環境作成や初期設定など、通常のコンフィグレーションモードを使用して、即時反映させることもできます。
- 作業内容やリスクに応じて、運用者が方式を選択できる点が大きな特長です。
# 通常のコンフィグレーションモードへ移行 ARISTA#configure # 設定変更(即時反映される) ARISTA(config)#hostname TEST TEST(config)#
まとめ
これまで Cisco IOS XEを運用で使用してきた身として、Arista EOSは操作感が非常に近く、これまでの知識を活かせるため学習コストや導入の心理的ハードルが低い点が大きな魅力です。
さらに、「show active」による設定確認のしやすさや、明確なプロンプト表示、commit方式による作業ミスの抑止など、安全かつ効率的なオペレーションを実現する優れた機能が備わっていると感じました。