シナプスの技術部 システム開発課の蔵坪と申します。
弊社は、10年近くソースコードは、Subversionで管理しておりましたが、昨年、GitLabに移行しました。
弊社でお世話になっているパートナーさんから、GitLabはAsciiDocが利用できるので、仕様書などのドキュメントは、AsciiDocがお勧めだとアドバイスをもらいました。そこで、Windows上のVisual Studio CodeでAsciiDocのプレビューできる環境を構築してみました。
AsciiDocとは
- AsciiDocとは、メモ、ドキュメンテーション、記事、本、電子ブック、スライドショー、Webページ、マニュアルページ、ブログを書くためのテキスト文書フォーマットです。
試した環境
- OS : Windows 10 Professional (1809)
AsciiDocのプレビューに必要なツール
- Chocolatey
- Windows上で動作するパッケージマネージャ、こちらはなくてもいいのですが、構築が楽になります。
- Visual Studio Code
- Microsoft社が公開しているオープンソースのテキストエディタ
- Graphviz
- オープンソースのグラフ可視化ソフトウェア
- Amazon Corretto
- アマゾンが提供している無料の OpenJDK ディストリビューション
- Ruby(最新)
- Asciidoctor
- AsciiDoc で書かれたコンテンツをHTML5、DocBook、 PDFなどのフォーマットに変換するオープンソースのツールです。
- Asciidoctor-Diagram
- Asciidoctor Diagramは、PlantUML等のプレーンテキストを使用して記述した図をAsciiDoc文書に追加できるようにするAsciidoctor拡張機能です。
手順
Chocolateyのインストール
サイトにアクセスし、インストールコマンドをコピーします。
コマンドプロンプト(管理者として実行)で、コピーしたコマンドを実行します。
各種アプリケーションのインストール
コマンドプロンプト(管理者として実行)
choco install ruby -y choco install vscode -y choco install graphviz -y choco install correttojdk -y
rubyのモジュールインストール
コマンドプロンプト
gem install asciidoctor-diagram gem install --pre asciidoctor-pdf gem install asciidoctor-pdf-cjk gem install coderay
[Visual Studio Code]拡張機能のインストール
コマンドプロンプト
code --install-extension joaompinto.asciidoctor-vscode code --install-extension ms-ceintl.vscode-language-pack-ja
Visual Studio Codeの設定
- Visual Studio Codeを起動し、「ファイル > 基本設定 > 設定」をクリック
- 検索ボックスに「asciidoctor」を入力
Asciidoctor_commandに下記を設定し、Use_asciidoctor.jsのチェックを外す
asciidoctor -r asciidoctor-diagram -a outdir=.asciidoctor -a imagesdir=.asciidoctor -a imagesoutdir=.asciidoctor
引数で、ディレクトリに.asciidoctorを指定している理由は、未設定の場合、ファイルと同一フォルダにプレビュー時に利用する画像が生成されるためです。
プレビュー
Visual Studio Codeを起動し、適当なフォルダを開き、Sample.adocファイルを新規作成します。
= AsciiDocサンプル これはAsciiDocで記載されたドキュメントです。 == 見出し1 * aaaaaaaa * bbbbbbbb == ソースコード [source, javascript] ---- Alert("AsciiDocサンプル"); ---- == インクルード include::Include.adoc[] == ユースケース [plantuml] ---- @startuml :user: --> (Use case 1) :user: -> (Use case 2) @enduml ----
Include.adocファイルを新規作成します。
includeのテストです。
Sample.adocのタブの右にある「Open Preview to the Side」をクリックします。設定に問題がなければ、下記のように見えるはずです。
ドキュメントをGitで管理する場合
このままの設定だと、ドキュメントをプレビューするたびに、ファイルの同一階層の.asciidoctorフォルダに、一時ファイルが生成され続けますので、.gitignoreで除外設定しておいたほうがいいです。
また、拡張子adocのままGitlabにpushすれば、ブラウザでそのまま確認可能です。ただし、GitLabの設定で、PlantUMLサーバのアドレスを登録しておく必要があります。また、現在のGitLabではIncludeが動作しないようです。AsciiDocのIncludeが利用できるように開発が進んでいるようなので、もうしばらくしたら、利用できるのではないかと思っています。2020年4月現在、GitLab上でincludeも確認できるようになっています。
続きは、下記の記事になります。