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ジュニパーネットワークス MX204 の見慣れないポートを確認してみた

技術部ネットワーク課の二之宮です。

はじめに

最近導入された Juniper Networks 社製ルーターに、見慣れないポートがありましたので、それが何なのか調べました。

最近導入された Juniper Networks 社製ルーター

ジュニパーネットワークス MX204 ユニバーサル ルーティング プラットフォーム

見慣れないポート

これです。

これまでに当社に導入された各種ネットワーク機器やサーバー等で、このようなポートは見たことがありません。

マニュアルで確認

マニュアル

MX204 Universal Routing Platform Hardware Guide > Initial Installation and Configuration > Connecting the MX204 to the Network

ここまでのまとめ

この見慣れない端子は、タイミング・ポートまたはクロッキング・ポートと言うもので、In側にはクロッキング・タイミング・デバイスを接続し、同期イーサネットの、外部の機器から受信した信号に同期する機能で使用する 1PPS や 10Mhz 信号を入力するために使用する。
また、OUT側にはタイミング・クライアント・デバイスを接続し、1PPS や 10Mhz 信号を出力するために使用する。

といった感じにまとめましたが、日ごろの勉強不足が祟り、何を言っているのかわかりませんので、このまとめのキーとなる用語の、ここでの意味合いについて、簡単に調べました。

マニュアルに出てきた用語の確認

クロッキング・タイミング・デバイス

正確な 1PPS や 10Mhz の信号を出力する機器。
原子時計を搭載した GPS からの信号を利用して、正確な 1PPS 信号や 10MHz 信号を出力する GNSS基準周波数発生器など。

同期イーサネット

( SyncE : Synchronous Ethernet )

イーサネットの物理層で周波数同期を行う通信規格。
物理層を使用するので、他の通信の影響を受けずに、周波数の同期を行うことができる。
外部の機器から受信した周波数信号に同期する機能がある。

1PPS 信号

1秒間に 1回送出される信号。

10Mhz 信号

基準周波数信号。
周波数発生器で、1PPS 信号を基に、正確な 10Mhz 基準周波数信号を生成することができる。

タイミング・クライアント・デバイス

MX204 に接続し、MX204 をプライマリ・デバイスとして、1PPS や 10Mhz 信号を受信し周波数同期を行う機器。

ここまでのまとめ

この見慣れない端子は、タイミング・ポートまたはクロッキング・ポートと言うもので、In側には GNSS基準周波数発生器などを接続し、同期イーサネットの外部の機器から受信した信号に同期する機能で使用する 1PPS や 10Mhz 信号を入力するために使用する。
また、OUT側は、1PPS や 10Mhz 信号を出力し、接続された機器が周波数同期を行うために使用する。

といった感じにまとめましたが、まだ、最終的に何ができるのかがわかりません。
同期イーサネットが、 PTP と共に語られることが多いように思いますので、PTP と絡めて、もう少し、簡単に調べました。

何ができるのか確認

PTP

(Precision Time Protocol: 高精度時刻同期プロトコル)

パケットで時刻同期を行う通信規格。
イーサネットで正確な時間と周波数を配信する。
NTP より高精度な時刻同期が可能。

時刻同期とは

「周波数」と「位相」「時刻」を合わせること。

アナログ時計で言うと、
 周波数 ➡ 針の進む速度を合わせる
 位相  ➡ 針の位置を合わせる
 時刻  ➡ 針の位置を UTC(世界統一時刻)に合わせる

同期イーサネットと PTP の関係

MX204 等のルーターは、位相と時刻の同期に PTP を使用し、周波数の同期には同期イーサネットを使用するハイブリッドモードを使用することが可能で、PTP のみで時刻同期を行うより、より正確な同期を行うことができる。

正確な時刻同期が必要な分野

  • モバイルサービス
  • 金融サービス

最終的なまとめ

この見慣れない端子を使用すると、高精度な時刻同期が行えるので、高い時刻同期を要件とするモバイルサービスや金融サービスに対応することができる。

おわりに

今回、MX204 の見慣れないポートを調べることで、随分と色々な知 識に触れることができました。
ちょっとしたことに興味を持つことが、世界を広げるきっかけにな ることを、改めて実感しました。